委員長:二上武生(工学院大学)
副委員長:山崎敦子(デジタルハリウッド大学大学院)
副委員長:和田朋子(工学院大学)

本冊子は,日本工学教育協会コミュニケーション教育調査研究委員会が,工学教育誌第73巻において連載してきた「サロン」欄の寄稿を一冊にまとめたものである.委員会の活動の一環として企画されたこの連載は,工学教育におけるコミュニケーションの意義を多角的に捉え,実践報告,教育改善の視点,新たな教育手法の提案など,多様な観点から議論を共有する場として位置づけてきた.
近年,工学教育はこれまで以上に幅広いコミュニケーション能力を必要としている.技術の高度化と国際化,学際的な協働,さらには社会課題の複雑化に伴い,エンジニアには専門知識とともに,他者と協働し,問題をともに解決していくための対話力・説明力・発信力が欠かせなくなっている.委員会では,こうした課題を背景に,教育現場で見えてきた実践知や知見を重ね,誌面を通して広く共有することを企図した.
本冊子に収められた各寄稿は,研究者・実務家・教育担当者それぞれの立場からの問題提起であり,日々の教育実践の現場で培われたリアルな視点に満ちている.工学教育におけるコミュニケーション教育の実践例や改善の工夫だけではなく,教育の本質や学生との向き合い方についての考察も含まれており,本委員会が目指す「実践と理論の循環」の一端を示すものともいえる.
本冊子の寄稿が,工学教育に携わる先生方,コミュニケーション教育に関心をもつ研究者・学生・実務者にとって,教育改善のヒントや新たな視点を提供するものであれば幸いである.最後に,「サロン」連載の執筆にご協力くださった皆様,ならびに工学教育誌編集・出版委員会の関係各位に深く感謝申し上げる.

コミュニケーション教育調査研究委員会

      • 「サロン」目次とJ-STAGEへのリンク

73-1号 「目的・場面・状況」に応じたコミュニケーショントレーニングの必要性(二上 武生)
73-2号 リアリティのある課題設定の実践 : 思考・判断・表現を引き出す「タスク」の考え方(和田 朋子)
73-3号 コミュニケーションにおける若手社会人・大学生の課題の報告及び解決策としてのいち育成方法(中見 桂也)
73-4号 次の学びにつながる評価を考える : 「前」を向かせる評価基準に必要なこと(和田 朋子)
73-5号 認知・非認知スキルの接続から考えるエンジニアのコミュニケーション教育(新谷 真由,山崎 敦子)
73-6号 コミュニケーション教育における工学の役割:現状と展望(山崎 敦子)